金足農業の吉田輝星がリアル国見比呂に見える

野球

夏の甲子園も順調に日程を消化してきて大会13日目が行われました。第2試合では秋田の金足農業が南神奈川の横浜高校を5-4で破る波乱もあり、優勝候補だった私立の強豪を公立の農業高校が撃破したと話題になっています。

このジャイアントキリングを達成した立役者は間違いなく3番ピッチャーの吉田輝星投手でしょう。投げては150キロの速球と多彩な変化球を操り、打ってもクリーンナップの一角として打点やチャンスメイクで活躍する。

横浜戦でも4打席3打数3安打、1犠打、2打点、ホームラン1本の大活躍でした。

この活躍にTwitterでは、あだち充の漫画『H2』の主人公・国見比呂を連想させると言われていました。確かに。あだち充作品の主人公っぽい。

野球漫画『H2』とは?

『タッチ』でも知られるあだち充が、1992年から1999年まで週刊少年サンデー誌上で連載していた野球漫画です。

主人公の国見比呂と野田敦、橘英雄は中学時代に地区大会を2連覇した野球部員だったが比呂は肘を、野田は腰を故障して高校では野球部のない学校に進学した。

天才打者の呼び声が高い橘は強豪校に進学して3人のなかで唯一、野球を続けて甲子園を目指していた。

その後いろいろあって野球部がなかったはずの学校に野球部が創られ、比呂と野田に野球は無理と宣告した医者が無免許医師で診断はデタラメだったことが分かる。2人にはしっかりした指導者がいる学校に転校して野球部に入り直す選択肢もあったが、この学校で野球好きな仲間たちと一から甲子園を目指そうと決意する。

それぞれの方法と信念の下に甲子園を目指す3人(特に比呂と英雄)を中心として、3年間という限られた期間にすべてを出しつくそうとする高校生たちの青春、友情、恋愛などが盛り込まれています。

そして3年生になった比呂と英雄は最後の夏に甲子園で激突。互いの意地とプライドとヒロインへの愛を懸けた勝負が繰り広げられます。

吉田輝星のどこが国見比呂っぽいのか

吉田投手に国見比呂っぽいなという感想を抱くのは同じ右の本格派で、打者としても3番を打つクリーンナップなのはもちろんですが、最終回の勝負所で本日最速を更新する、ここで1本ほしい場面で期待に応えてくれる姿も重なります。

作中では甲子園常連校で1年生から4番を任されることになった英雄が、打者としての比呂を評して「中学時代からサヨナラの場面などでは比呂のほうが打ってた。最終回の比呂は一番頼りになる打者なんだ」的なことを言います。勝負所では打力が上がる主人公補正ですね。

吉田投手も横浜戦では三回に自ら同点2ランを打ち、八回には先頭打者としてセンターへのヒットで出塁し逆転3ランに繋げる勝負強い打撃を見せました。

投球では九回2アウトから本日最速の150キロをマーク。驚異的なスタミナで横浜打線の反撃を封じています。

こうした投打の活躍がリアルあだち充の主人公だなと感じさせます。

金足農業に木根はいるか?

3年生の夏に甲子園出場を果たした比呂と千川高校はトーナメントを勝ち進み、いよいよ英雄のいる明和第一との対戦が現実味を帯びてきますが、その前に監督は比呂を休ませてセンターの木根竜太郎を先発登板させます。

比呂を少しでも休ませたい監督の思惑通り木根は5回、7回と投球イニングを重ねます。物事の見切りが早く、常に斜に構えていた木根が自分で設定した限界を突破し、殻を打ち破って完投勝利する有名なシーンですね。

金足農業はスタメンを変えず同じメンバーで戦い続けてきました。吉田投手も完投の連続でチームを引っ張ってきましたが、もし優勝を目指すなら木根に相当する存在が必要です。

完投とはいかないまでも連投になる準々決勝で3回、5回くらい投げてもらうだけで違います。

投手の消耗が激しい夏の甲子園ではエースを温存しながら、体力を残しつつ勝ち上がることも優勝を目指す上では大事になってきます。日本は数十年前と比べて平均気温が上がってますから、昔のように超高校級のエース頼みで完投、完投、完投の連続で甲子園制覇は今後さらに難しくなるでしょう。

だからこそ公立校が強豪私立を破ったことに驚いてます。