甲子園と待球作戦~創志学園と下関国際の試合に寄せて~

野球

第100回全国高校野球選手権大会は初日から順調に日程を消化し、8月15日は大会11日目が行われた。

第1試合では創志学園(岡山)と下関国際(山口)が対戦した。試合は下関国際が2点リードされながらも最終回に3点を奪い5-4で勝利している。

下関国際の待球作戦が九回に結実

1回戦で123球完投勝利を見せた創志学園の2年生エース西純矢投手に対して、下関国際は球数を投げさせる待球作戦に出る。疲労から投球のバランスが悪い西投手は、早いカウントで手を出してこない相手の作戦もあり球数が増えていく。

西投手は八回を三者凡退に抑えてガッツポーズを見せるも、この時点で投じた球数は149球。誰の目にも投げ過ぎだった

九回のマウンドに上がった西投手は先頭から四球、死球でランナーを出しヒットで満塁にされる。さらに自身の暴投で1点を失った。タイムリーと犠牲フライで2点を加えられ逆転を許す。

創志学園は裏の攻撃で1アウト一塁から西投手に送りバントをさせ、走者二塁として4番のひと振りに賭けるが打ち上げてしまいゲームセット。

2年ぶり2度目の夏は2回戦敗退に終わった。

弱者の戦法で下馬評を覆した下関国際

待球作戦の是非は観戦した人それぞれの心の内にあるだろうが、これはこれで高校野球らしい光景でもある。

絶対的なエースがいるかわりに2番手以降は格が落ちるチームに対して、エースを早い回に引きずり下ろす、あるいは疲弊させて叩くは弱者の戦法として有効だ。

投手分業制を確立できるほど選手層が厚くない高校野球では当然ありえる。

特に今日の西投手は雨が降ったグラウンドコンディションの影響もあってか、ストライクとボールがはっきりしており、仕掛ける側としてはやりやすい条件が整っていた。

ベンチの作戦や選手起用も含めて野球。単純な選手の能力だけではない総合力で下関国際が下馬評を覆した。